所属する幸せと薪

所属で感じる幸せがある。ファンがファンクラブをつくるのはひとりでは感じられない喜びを知っているからだ。新しい所属は心の中にこれまでなかった火を灯す。所属で灯った火には徐々に落ち着いて消えてしまうものと、いつまでも心に残り続けるものがある。…

走れシェア自動車

マイカーが夢だった時代よりも、自動車は使命を全うしている。カーシェアリングによって、自動車は1人の人間が所有するよりもはるかに多くアクセルを踏まれ、タイヤを回転させ、メーターを進ませる。所有されている自動車よりも、共有されている自動車の方…

土曜日の朝、書いて整理する

紙に書いて頭の中を整理する作業は、誰でも経験があるはずだ。作業そのものが好きなのもあって、習慣になっている。土曜日の朝に一週間分まとめて整理する。土曜日の朝が一番ゆっくり時間を使えるからだ。書き方には少し決まりがある。最初に「いつも心がけ…

芸の時代

文芸、工芸、演芸。アートの時代と言いたいところだがあえて芸と言う。アートと芸では少し意味合いが異なる。アートは数ある芸の中のひとつである。講談社の『日本語大辞典』で「芸」の項目を引くと、 ①うえる。草木をうえる。「園芸」 ②わざ。ならいおぼえ…

月曜日の朝まで忘れる力

小学生のころ、日曜日の夜は心が沈んだ。学校に行くことが憂鬱で、日曜日の夕方から月曜の朝にかけて私のパフォーマンスは著しく落ちた。嫌なことを前にしたとき、同じ状態になるのはいまも変わっていない。 一つの解決策として、忘れることを思いついた。根…

向き合えば2.0

いろいろなもののバージョンが新しくなっている。web2.0、お金2.0、動画2.0(明石ガクトさん好きです)、視力2.0(欲しい)、ダイハード4.0(ジャックバウアー)。テクノロジーや価値観の変化を受けて、今までの概念がアップデートされている。〇〇2.0というキャッ…

ジャーナリズムという病

ジャーナリズムの語源はジャーナル(日刊、刊行物)とイズム(主義、主張)である。誤解されがちだが「巨悪に立ち向かう新聞記者」といういわゆるジャーナリストのイメージは一側面に過ぎない。現在を細かく取材し、過去と関連付けて解説するのがジャーナリズム…

紙がくれるもの

紙の本を買うか電子図書を買うかという議論はいまだ決着しない。新聞と雑誌、そして紙幣も同じである。まだまだ紙は情報を伝える媒体として求められている。媒体として以外の紙はなおさら不可欠である。ティッシュ、トイレットペーパー、紙おむつ、段ボール…

自由化ばんざい

農業、漁業の自由化と聞いて手放しに喜ぶのは国民の悪癖である。水道法の類もこの手の話である。法律で保護された市場、業界を称賛するわけではない。長年経っているならなおさらである。人の出入りがない家がすぐ腐るように、市場もまた同じである。かと言…

ソフトバンクあれば通信障害あり

ソフトバンクの通信障害で大規模な混乱が起きた。たまたま関係なく過ごせた人はいいが当事者になった人にとっては大問題である。障害が起きなければ怒られる必要のなかった人がどこかでしこたま怒鳴られているかもしれない。あるいは悲しみに暮れているかも…

言いたいことは3つまで

よく、知らないアーティストの歌を聞くとどれも同じような曲に聞こえることがある。好きになって心をこめて聞けばそれぞれの曲のよさがわかるというが、多感な思春期ならまだしも感性が鈍くなった上にすぐ時間がないと言い出す中年には無理な話である。スピ…

なんて器用なの!

中学生のとき、同級生の女の子に言われたことがある。家庭科の授業中ではなかったので手先を誉めてくれたわけではなく、人間関係や立ち振舞いに関しての言葉だと思う。皮肉のこもったネガティブな言い方だった。言われるまでそんなつもりはなかったが世渡り…

地上の星だらけ

仕事柄、地方を訪ねることが多い。講演とかで行くわけではないから、会うのは地元で暮らし、その土地に様々な感情を持ち、毎日を過ごすいわゆる普通の人たちだ。そのなかには本当に素朴で堅実で実直に、かけがえのない日々を送る人たちがいる。彼らこそ地上…

コミュニティに飛び込む

オンラインサロンやファンクラブなどのコミュニティサービスが流行っている。インターネットをうまく使いこなし、ひとりでは到達できない地点を人々は目指し始めている。同時に強烈なアイデンティティを欲している。 アイデンティティの和訳は「自分は何者で…

leeap(エアークローゼットのメンズ版)を使ってよかった3つのこと

おしゃれ、とか身だしなみ、という言葉が苦手だ。高校の時の制服も嫌だったし、社会人になって着ているスーツも好きじゃない。そもそも服のことを何も知らない人にとって「時と場合に合わせて服を選ぶ」というのはハードルが高すぎる。文字通り裸で生まれて…

東日本大震災の日、受験生だった

2011年3月11日。東日本大震災が起きた日、高校三年生だった。大学受験のために、京都から新幹線に乗って上野に到着したばかりだった。常磐線のホームで電車を待っているとき、地震が起きた。キオスクがぐらぐら揺れて、ホームの時計も大きく揺れたのを見たか…

葛藤するAI

AIは自分に矛盾を見つけると止まってしまうらしい。というよりも矛盾しないようなロジックを組み立てて進む。命令された内容に対して、忠実に答えを導き出す。人間とAIで決定的に異なるのは矛盾を抱えたまま行動できるかどうかにある。すでに多くの棋士を超…

ブログを書く意味

天下に新しきものなしと古人は言った。旧約聖書の言葉(There is no new thing under the sun.)だそうだ。誰かが言ったことは既に古人が言い表していて、その焼き直しに過ぎない。「愚者は経験から学ぶ、賢者は歴史から学ぶ」という言葉もこれに通じる。この…

ドMはプレゼン向き

プレゼンやスピーチをするときは、「言ってやる!思ってること全部!」と思ってしゃべった方がいい。「こんなこと言ったら怒られるだらうか」「誰も共感してくれないんじゃないか」という気持ちが強ければ強いほど、言いたい気持ちが強くなる。プレゼン論的…

ストーリーのたたき売り

「モノを売るためにはストーリーが大切です!」最近この類の言葉を聞くことが増えた。 大量消費社会を経て、モノを買わない世代が経済にかかわり出している。シェアエコノミー市場が拡大し、所有から共有へ人々の価値観はシフトしている。そんななかでも、売…

調味料を買いに行こう

一人暮らしをはじめたとき、自炊をするべきか考えた。結論は「自炊はした方がよい。ただし、やりたいことがない場合。」自炊は時間がかかる。お金も一人暮しなら外食との差はそれほど大きくならない。(あなたが毎食叙々苑に行くなら別だが) それでもむりやり…

受験は差し馬で

競馬の勝ちパターン(馬券の買い方ではなく馬の着順の話)には「逃げ」「先行」「差し」「追込」があると言われる。脚質って呼ばれることの方が多いかな。個人的に一番かっこいいのが「差し」だと思っていて、ゴール前ギリギリで勝ちに行く感じが博打の真髄っ…

ドローンを買って良かった5つのこと

ドローンが好きだ。空撮した映像を見た瞬間、自分でもやってみたい!と思った。夢中でYouTubeのドローン映像を見たり、レビュー動画やサイトを見たりしながら、財布と相談した。財布はなかなか許してくれないのでクレジットカード先輩に頼んだ。先輩は頼んだ…

R指定VS李白 漢詩と日本語ラップ

にわかに日本語ラップが流行っている。いや本当は前から流行っているのかもしれないがここのところ目に触れる機会が増えたように感じる。テレビで番組が組まれたりカラオケでランキングに登場しだしたりしたのはつい最近のことではないだろうか。ラップの成…

人口減少社会という希望

少し前に出版された本の名前で、いまでも心に残っている。日本の人口は減る、地方では過疎化が進む、超のつく少子高齢化社会がやってくると、もはや脅迫かと思うような社会科の教科書で義務教育を過ごした。絶望を詰め込んだような教科書の表現は教育する側…

Tik Tokは魔法の鏡

TikTokが流行っている。その勢いは昔あったVineの比ではないらしい。らしいというのは、私自身は使ったことがないし、まわりにも使っている人を見たことがない。しかし流行っているものはすべて理由があるはずだし、それを理解できないままではいけないと、…

おじさんが「最近の若者は」というようになるまで

「最近の若者は...」なんてフレーズは聞き飽きたよ。そんな人も多いと思う。実際に口にするおじさんもいるし、ドラマや漫画なんかでセリフとして使われたりもする。このブログみたいにネタとして使われることもしばしば。そういう意味では「最近の若者は」と…