おじさんが「最近の若者は」というようになるまで

「最近の若者は...」なんてフレーズは聞き飽きたよ。そんな人も多いと思う。実際に口にするおじさんもいるし、ドラマや漫画なんかでセリフとして使われたりもする。このブログみたいにネタとして使われることもしばしば。そういう意味では「最近の若者は」というフレーズに対してもっと感謝したい。今回は題材にさせてもらいました。ありがとう。
でも、私が感謝の言葉よりも言いたいのは、「おじさんはいつ、『最近の若者は』というようになるのか?」という謎について。

おじさんもかつては若者だったはずで、少なくとも「最近の若者は」と言っているときは自分は「最近の若者」とは違うと思っているはず。じゃあ、いつから「最近の若者は」と言うようになるのか?先に断っておくと、この記事で言いたいのはそういうフレーズを口にするおじさんが嫌いとか、自分が言われて頭にきたとかそういうことではない。その類いの事はいままでさんざん言われてきているし、言われて腹が立つようなことは全くない。

おじさんが「最近の若者は」というときは、だいたい自分より年下の人間、つまり若者が自分の理解の範囲を超えてるときだと思う。自分とコミュニケーションが取れず、価値観のズレを感じ、すれ違ったときについ口から出てきてしまうのがこの言葉。

つまり、「最近の若者は」は、コミュニケーションの不足や価値観の違いを感じたときに出てくる。でも、こうしたすれ違いって、同世代でも起こり得るんじゃないかな?すれ違った相手がたまたま若者だっただけで、年上だったり同年代の人間だったりすることもあるよね。「最近の若者は」トレンドで圧倒的に上位に来るのは「ゆとりでガッツがない」「我慢できない」みたいな言葉だけど、どんな世代にも「ガッツがない」「我慢できない」人はいると思う。実はおじさんは、おじさんになるまで、同年代や年上の人たちともたくさんすれ違っている。

当たり前だけど、大切なことはすれ違ったときに理解しようとする気持ちを持つことだ。自分の考え方とは違うところを面白いと思い、興味を持つこと。逆にいうと、これができる人はどんなに年をとっても「最近の若者は」とは言わないんじゃないだろうか?

翻って自分のことを考えると、大学を卒業して数年が経って、そろそろまわりに年下の知り合いも増えてきた。おじさんになりはじめている。でも、私は彼らを「最近の若者は」とは決して言いたくない。新しいものや知らないものに興味を持ち、楽しんでいきたい。強いて言えば「最近の若者は知らないことをたくさん教えてくれる」と言いたい。