月曜日の朝まで忘れる力

小学生のころ、日曜日の夜は心が沈んだ。学校に行くことが憂鬱で、日曜日の夕方から月曜の朝にかけて私のパフォーマンスは著しく落ちた。嫌なことを前にしたとき、同じ状態になるのはいまも変わっていない。

一つの解決策として、忘れることを思いついた。根本が解決するわけではないがその瞬間を迎えるまで健康を維持することができる。リマインドの逆で意識的に記憶を消し飛ばすのである。いざ直面した時のギャップに耐えられるならどんどん忘れた方がいい。

日曜の夜でなくても役に立つ。飛び込み営業でインターホンを押す瞬間、苦手な客先に電話でアポを入れるとき、大勢の前でプレゼンする前。その瞬間を迎えるまで忘れてしまえばいい。考えるのはインターホンを押してから、電話をかけてから、聴衆の前でしゃべりだしてからでいい。考えても仕方がない。始まってしまえば乗り切れるものの、自分にストレスがかかる事柄を目の前にしたとき、人はためらいがちだ。

バンジージャンプをいつまでたっても飛べないのは想像力が豊かな証拠である。しかし往々にして落ちた後のことを考えるよりも一歩踏み出すことの方が大切な時は多い。やけっぱちも幸せをつかむ手段である。

書いていて思い出したが、何かの映画で忘れることができない辛さを語るロボットがいた。知っている人は教えてほしい。