調味料を買いに行こう

一人暮らしをはじめたとき、自炊をするべきか考えた。結論は「自炊はした方がよい。ただし、やりたいことがない場合。」

自炊は時間がかかる。お金も一人暮しなら外食との差はそれほど大きくならない。(あなたが毎食叙々苑に行くなら別だが)
それでもむりやり自炊を続けると習慣が身につく。冷蔵庫を確認する習慣、スーパーに行く習慣、調理をする習慣、食器を洗って片付ける習慣。自炊は意外といろんな習慣付けをしてくれる。

この習慣は、はじめは苦労するが慣れてしまえばどうということはない。自炊が生活の一部になったら、今度は一日外食して過ごしてみてほしい。一日が長く感じられるはずだ。そういうわけで自炊の習慣は、外食していたときにはなかった時間を作り出してくれる。まわりくどくなったが、もし「やりたいことがない」という悩みを持っていたら、自炊するのがいい。本当にやりたいことが見つかったときに自炊をやめればそれを実行する時間ができるから。

そこでひとつ言っておきたいのが、調味料の揃え方だ。多くの人は作りたい料理を決めてから調味料を買いに行く。それは自炊ではなくレシピを実行しているだけだ。その料理を作らなくなったら調味料は棚の中で忘れられて寂しく賞味期限を迎えるだろう。ある人が「おれは自炊をする」と言って毎日カルボナーラばかり作って食べていた。冷蔵庫にはマヨネーズとチーズとバター、にんにくチューブしかなかった。

それでは自炊の習慣は身につかない。調味料は使う頻度が多いものを最初に揃える。分かりやすく言えば砂糖と塩とお酢と醤油と味噌(とみりんと酒)を揃える。レシピを見て買い物に行くのではなくて、もらった野菜や特売の肉を買ってきてからなにを作るか考える。そのためには台所に調味料が揃っていなくてはならない。一見すると頭が悪そうに見えるが、これが本当の自炊だ。なので、自炊しようと思ったら最初にこれは投資だと思って調味料を買うべきだ。

つまり、やりたいことがないときは調味料を買いに行けばいい。